病院の窓から

入院生活もそろそろ4週間目を迎え、すっかりこの超守られた生活に慣れてしまった感があり、今後が不安になってきた。入院した時は、病室にも空きがあって、静かな病院という印象。手術とその後の1週間は、痛みと動かない身体との闘いというと大袈裟だが、せめぎあい。はれ上がって、痛い足をなんとかなだめながらだったから病院が空いているとか混んでいるとか考える余裕はなかった。2週目もむしろ腫れがひどくなり、どうなっちゃうの?と不安。周囲をゆっくり見渡す間もなく。2週間で退院するはずなのに、このままだと永遠に出られない?3週間経って、抜糸、水抜きをして、それから傷がみるみるきれいになった。腫れがひいて足が細くなった。肌の色もきれいになって、さて、周囲を見渡すと、看護師さんがやたら忙しそう。なるべく歩くようにいわれて病棟の廊下を歩くと、どの部屋にも患者さんがいる。心なしか廊下を行き来する人の数もリハビリルームの患者さんもやたら多い。3週間の間に病院は満室になってしまった。やっと歩行訓練が板につき、あちこち歩き回る先を探すが、どこも人がいっぱいいる。

満員御礼の病院を後に、折よく退院の話をすることができた。なんとか自力で歩けるようになった。身の回りのこともできる。だから、これは病院での最後の文章になる。多分、この先、私が入院生活をおくることはまずないと思うので、これは入院生活との今生の別れ。

本当にお世話になった。本当に、良いお医者さんに出会い、大変な手術をしていただき、看護師さんは、私のちっとも治らない傷を本当に心配してくれた。

私は左足を思い切り甘やかし、でもおだてておだてて、リハビリに耐えてもらっている。私の優秀な左足は手術前とは、そう、待遇が違う、ときっと喜んでくれているはずだ。大事にしますよ。私の身体。いくら超守られた入院生活とはいえ、こんな経験は今回だけにしたいと思うから。

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