6月に入って芍薬の花が出回るようになった。この花が好きだ。大きな立派な花だが、派手さがなく色も意外なくらい主張がない。時期も短いのでふと気が付くとシーズンが終わっている。今年は近くの花やで見つけてさっそく買い込み、それがどんどん水をすって大きく花開いた。が、開いたとおもったら、あっという間に花弁がばさばさと落ちる。丸い蕾は固く閉じられていて、3本に1本くらいは開かないまま終わってしまう。開くかどうかわからない蕾を買うか、あっというまにばさばさ落ちてしまう花を買うか、いつも迷う。
今年もツバメがやってきた。昨年はコロナにかかってしまったのか、近隣にも来なくて、ずいぶん心配したが今年はばっちり。ばっちりすぎて、雛が育って飛び立つまで気が付かなかった。理由は簡単だ。三笠塾に行かれないから。オンライン授業真っ盛りの昨今。対面授業もできずにいるし、できたとしても現在参加者はごく僅かなので、授業再開とはいかない。
そんな中、三笠ビルに新入生がやってきた。2001年生まれ、2003年生まれ。若い。太陽さんが何もできない彼らのために面倒みてくれている。スーパーに買い物に連れて行きます。印鑑を作らなければならないですが、近所に店はありますか?ついでに自転車買いに行きます。買った途端に自転車を駐輪違反で持ち去られて警察行ってきます。太陽さんは本当に大活躍である。頼もしいお兄さんだ。太陽さんが模擬試験を受けている間、久々に面接をした。18歳から20歳の男子5人。正直ってまだ子供だ。日本語もほとんどできない。
三笠塾を始めた当初、日本語のできない彼らと日本語でコミュニケーションをとる時、私はどんな方法をたっただろうか?お父さんは?出身地は?兄弟は?日本に来るまでの間、何をしていたの?両親の職業は?すごく簡単な言葉もわからない。三笠塾には入会申込書があってこれにはベトナム語の翻訳がついている。それをひとつひとつ指し示しながら、行ったり来たりしながら、5人と話をする。すぐに隣の子とベトナム語でぺらぺらしゃべりだす。社会経験が皆無で、日本語はできない。今回はハイフォン、ハイズーンと北部の近場の子が集まっているが、南部や中部が加わると話はもっと厄介になる。なんとか両親、兄弟、出身、日本でやりたいこと、を5人分聞き出し、入会申込書を5枚つくりあげた。彼らに、来週から会話の勉強しましょうよ、ベトナム人の先生が日本語教えてくれますよ、と誘った。
さて誰に講師を頼もうか?