特定技能と新ちゃん(三笠塾は特定技能登録支援機関の認可を取得しました)

新ちゃんのお誕生日会(2018年3月三笠塾にて)

三笠塾はJLPT(日本語能力検定)合格を主たる目的としている。

なぜJLPT合格が必要なのか? 目先の利益が大好きなベトナム人は、そのことで誤解がある。当塾でJLPTに合格したからといって、直ぐにいいことなんて何もないですよ。高い受験料払って、不合格だったらもったいないですよ。塾内では、いつもこういう話が繰り返されていた。

確かに、JLPT合格を大変な喜びだと実感する機会はあまりない。私たち三笠塾の講師が手に汗握って(勝手に)合格発表を待つ瞬間だって、生徒本人は深夜ということもあってか寝ている。すごく自信を持って、合格確実を確信していた生徒があっさり不合格だった時は生徒は悲しむし、先生ごめんなさい、と言ってくる生徒もいる。しかし、大方の生徒は合格も不合格も、あまり意識の上にあがってこない感じだ。ことほど左様に、合格することのメリットが実感できないJLPT合格を目標にしているというと、日本の皆さんも陽子先生はずいぶんと酔狂な人だと思うらしい。私がJLPTの話を熱心に始めると、皆さん目が泳ぐようで、話の内容に興味がないのだ。孤立無援のJLPT。

ところが今回はちょっと様子が違った。

三笠塾は特定技能登録支援機関の認可を取得した。特定技能で就職を希望する学生と雇用者との間をつなぐ役割を正式に請け負うことが可能になったのだ。
三笠塾のJLPT特定技能VISA取得にはJLPTのN3レベルが要求される。特定技能VISAの可能性がでてきたため、JLPT取得は現実性の高いものとなった。そのためか、生徒の試験に対する取り組みがちょっとだけ熱心になった。目先の利益と結びついたといえるのかもしれない。

実はそのことより、生徒みんなの気持ちを思い切り惹きつけたことがある。

新ちゃんの誕生日会(2018年3月三笠塾にて)

それは、新ちゃんの就職だ。当塾を出てベトナムに帰国した新ちゃんは、2018年12月のJLPTN1に合格していた。実習生の男子では滅多にないことだ。工場勤務の女子と違って外での肉体労働が多い実習生はなかなか平日の勉強が難しい。学問に王道なし! 日本語の修得は毎日の積み重ね以外方法がない。こつこつと仕事から帰っての時間を勉強に充てた新ちゃんの努力は、大変なものだったに違いない。そして、それは見事に実を結んだ。

志を立ててJLPTN1を取得したにもかかわらず、日本での就職はままならず、失意のうちにベトナムに帰国した新ちゃんは、その後ベトナムで、日本語能力を生かして大変良い就職の機会に恵まれた。新ちゃんのかっこよく仕事をしている姿がFBにアップされると、それを見て、三笠塾の生徒たちはがぜん張り切りだした。……私もN1取得して、ベトナムに帰国して、新ちゃんみたいに高収入の仕事につきたい。

2019年12月1日のJLPTの三笠塾団体での申込みは昨日で締め切った。新ちゃん効果で、たくさんの合格者がでますように!

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