献血という社会貢献

2024年5月19日

5月19日 三笠塾の有志10人は献血という社会貢献に挑戦した。当初、アントウ―先生から
献血にみんなで行きましょう、という提案があった時はかなり懐疑的だった。後ろ向き
な考えがいくつも思い浮かぶ。はっきりいって陽子先生の負担が重くなる一方の提案だっ
たからだ。だが、タム先生の、ベトナム人は献血にあこがれています。みんな行ってみた
いと思っているけど一人ではいけない。さらにオンラインで話をしたハノイの太陽さんも
、東京にいる時、陽子先生が献血行こうか?と誘ってくれた。だから僕は2回も行きまし
たよ。とってもいいことしたと思っている。と言います。もう、仕方ない断れない。
事前のアプリ登録やら電話予約やらで、ずいぶん振り回されたけど、なんとか新宿駅東口
献血センターへ、献血希望者11人と見学希望者6人+陽子先生とバギーに乗った赤ちゃん
の総勢20名がたどり着く。当初8人の予約だったのが倍の人数が押しかけてセンター側も
ちょっとびっくり。でもこういう時って“数は力”とつくづく思う。見学希望者の数が多か
ったことは、献血センターにはご迷惑をおかけしたかもしれないが、将来の献血希望者を
確実に増やしたし、献血センターの対応も充分に行われたと思う。
ここで献血についての基礎知識。
献血可能年齢は16歳―69歳
女子は体重50キロ以上で400MLの献血が可能。(40キロ代だと200MLになるか
献血不可になる)身長は関係ないので、相対で小さいベトナム人女子は採血ができない人
が多い。今回も5人中3人が40キロ代で200MLなった。言い出しっぺのアントウ―先生は
ずいぶん粘ったが45キロしかない体重のため、200ML。反対に堂々たる体躯のレント
先生は直前逃亡。男子は外見が大きくて立派な人ほど血を見ることを怖がるような気がす
る。
日本赤十字が運営する献血センターは職員もボランティアで働いている人が多いと聞く。
献血そのものが究極のボランティア活動なので、無理強いはできないし、間違いがあって
はならないと職員の人たちもものすごく気を使っている。結果として、あまり日本語が上
手でない生徒は、事前の問診で躓く。バナナちゃんと花ちゃんのふたりのお世話通訳をし
たのだが、バナナちゃんは通訳がついたことでさらに震えあがってしまい身体はどんどん
固くなっていった。身体が固くなると、血管が浮き出てこなくなり、痛い思いをすること
になる。看護師さんに、好意でお願いすることがかえって怖い、痛いしか感じないのなら
辞めておいた方がいいのではと言われ、保護者として陽子先生が今回は辞めますといった
。一方、やる気満々の花ちゃん。通訳なんて関係なくすらすらと答えて、あっさり献血を
終えてしまった。同じような体格体形、年齢も出身地も一緒。なのに明暗を分けてしまう
のは面白い。
勇気君は注射の針が怖いと言っていたが、気が付いたらベッドで血を抜かれていた吸血鬼
に出会った少女みたいだったし、新ちゃんと奥さんは、新ちゃんが献血しても痩せないと
奥さんをからかっていた。確かに400MLの献血では、その後水分を充分にとれば、むし
ろ体重は増えるかもしれない。
 仕事柄というか、やはりこういう所でも、日本語と外国人について考えてしまう。この
ことに思いが至った時、“三笠塾、初めての献血”のもう一つの画期的なことを知ったよう
に思う。日本語ができないと、外国人でもできる日本社会への社会貢献も大変になってし
まうということ。
2024年5月19日 ひばり編集長 記事

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