陽子先生はスピードがつくもの、寒い所が嫌い。ゆえにスキーは嫌い。今回は雪を感覚的には全く知らないベトナムの若者たちに経験させてあげたいと企画した。以前からお世話になっている山形県置賜郡川西町のジャムパパさんこと片倉さんはずっとスキーを楽しんでいらっしゃる。コロナ禍が始まる直前までスイスにスキーにいくんだ!と張り切っていたようなスキー好き。そして、指導者であり、コーディネイター。今回もベトナム人入門者たちのお世話を引き受けてくださった。
10人から12人くらいのツアーを考えていたが、いざ行くということになると人数が増えるほど、いろいろな意味での負担も大きいので、三笠塾の講師の慰労会というニュアンスで8人。それに夫と義母と富江さん。この3人と私は新幹線で行って現地で会う。帰りはまだ新幹線に乗ったことのないダブルタイを乗車させてあげよう、そんな企画が、東北の地震で新幹線が不通になってしまい、急遽変更せざるを得なくなった。義母は長時間の車は大変なので行かない。車を10人乗りにして全員車で行く。ところが富江さんがスキーに行く前に骨折。結局8人で行くことになった。運転手はクオン先生。時間が長いので大変そうだが、いいですよー、大丈夫ですよー、と気楽に引き受けてくれた。
順調に予定通り26日13時30分には川西町まどかに到着。ジャムパパのお誘いで16時からジャムで行われるジャンベという太鼓のワークショップと演奏を覗くことにして、まずは遅いお昼ご飯。昨年も言ったフレンドリープラザ隣のラーメン屋へ。フレンドリープラザはお魚の鯛さんが働きたい場所。(と勝手にみんなで決めて鯛さんをいぢめる材料にしている)井上ひさしさんの図書館などを見学、やまざわ(ものすごく大きなスーパー)で現地の野菜や夜の宴会用の飲み物買って、ジャンベを聞きに行く。
夕ご飯はあまりに広々とした会場でみんなひっそりと食事。とても美味でしたよ。その後、ダブルタイの部屋で宴会。陽子先生と石田さんは早々に就寝。その後、みんなはトランプをしたそうだ。
27日。雨が降っている。今日でスキー場も閉めてしまうそうだ。まどか周辺にもまだまだ雪が残っているが、やはり少しづつ暖かくなってきているのだろう。雪の中のまどかはずいぶん印象が違う。
そして、スキー。蔵王ライザスキー場。ここですよ、と言われて車から降りた時は正直うんざりした。雪が深く、ずぶずぶと雪に足をとられる。両側から支えてもらって、やっとのことでレストハウスまで歩く。あーまたこの道を戻ると思うとゆううつ。私は余程スキーにはむいていない人間なんだなと思う。
入門初心者向けのゲレンデがレストハウスの真ん前にあって、レンタルスキーとウエアで身を固めたみんながゲレンデにこわごわ出ていく。窓からかれらの様子を眺めるのは大いに笑えた。すーと滑っていく。止まれないから、べちょっという感じで転ぶ。べちょという言葉がぴったりな転び方だ!あっちでべちょ。こっちでべちょ。ジタバタして立ち上がれない。ジャムパパや石田さんが助け起こす。一番の厄介さんはチャウさん。何しろ大きい。最近、脚が極端に弱くなって歩くのがつらい私にはよーくわかる。しっかりした筋肉、鍛えられた筋肉がないと立ち上がることが最も大変なことなのだ。転ぶたびに少しずつ身体は立ち上がり方を体得していくが、それまではなにしろ筋肉頼み。へっぴり腰で、スキーの板はじゃまなだけ。そんな中お魚の鯛さんが後ろ向きに滑っていった。(瑠美を助けに行ったらしい。ちょっと前に瑠美はスーっと滑ってべちょと転んでいた。)そして、鯛さんもべちょ。
2時間くらいと思っていたら調度2時間たったくらいに皆引き上げてきた。タムさんとクオンさんは目の下が赤い。日焼けしたみたいだ。転んでばっかりだった。でもリフトに乗った。ちゃんと乗れたよ。うまくなりたい。またやりたい。口々にそんな感想をもらす。そうですかそうですか。ジャムパパの熱心な指導のおかげでリフトに乗った。滑り降りた。この感覚がいいなあと思えれば、多分、スキーは楽しいスポーツなのだろう。ここまでみんなを誘った甲斐があったというもの。よかったね。。。。。。。べちょ。