読書の効用そしてIT弱者

私は書物を読むのが速い、書くのも速い。同じ理由でピアノの楽譜を読むのも速い。ところがそれをピアノの鍵盤に再生できるかというとできない。すごく時間がかかるし、なかなかできない。読書の習慣は小学生になる前からあった。なにしろ本が好き。私の父はそういう私の読書好きを認めてくれなかった。目が悪くなるからあまり本を読むなという。ところが周囲の人たちは、本を読むのはすごく良いことですよ、禁止しちゃいけませんよ。と言って私の味方をしてくれた。そうすると父は立つ瀬がないので、拗ねてしまって、もっと私の読書にきびしい取り締まりをかけるようになった。私は父に隠れて必死に本を読んだ。必然的に速く読む習慣が身に付いた。大学時代に英文での速読法というのを習ったが、昔々に速読法を体得していたので、確認程度だった。だが、この時、ある大事な点を私は見逃している。読んだ内容の定着である。私は速く読める。すぐに忘れる。必要ならまた読めばいいやと思っている。記憶に定着させる作業を合わせて獲得しておくべきだった。いまさらのように反省するが、もうこんなに年齢を重ねてしまったら、無理だと思う。

だが、ちょっとした下調べや読み返しで昔々の記憶は案外蘇る。ので、読書の効用は大きかったといえる。そんなわけで、ほとんど読書経験のないベトナム人たちに、いろいろな読書対象物を提供するのだが、日本語が達者な子でも、本を読むのは辛そうだ。そこで週1回の講読のクラスを設けている。ここで、もし彼らが読書の効用に気がついてくれたらいいな、という淡い期待を抱いて。

そんな中で最近”私はIT弱者”という文言を見つけた。なるほど、私もそうだ。そして読書習慣どころかその経験値もない私の生徒たちは実はIT勝ち組である。私は彼らにFBやLINEの手ほどきをうける。簡単 簡単と彼らはいう。そしてやってみせてくれる。その後がまずい。

はい、じゃあ、今度は先生自分でやってみて!ひとりになってできないとこまるでしょう?私はIT弱者だ。得意じゃないんだ。へどもどしながら、、、、やってみる。なかなかうまくいかない。なんとかできるようになる?そうそう、また今度、別のも教えてあげるね!彼らの方がいい教師?今回は私が拗ねる。

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