武漢発のコロナウイルス禍は結局、年越ししてしまった。みな、どこかでこんな風になるのでは?と思いつつ、そうならないことを願っての年越しだった。
三笠塾にとっては、見切り発車みたいなオンライン授業がそれでも充分に軌道にのり、学期の途中である12月1月も授業は続いている。講師の先生は本当に熱心だ。ということで私も負けてはいられない。週1回。水曜日に購読の授業をしている。テキストは日本人のしきたり。そして、ANAの口ぐせ。日本人のしきたりは内容的に古さはあるものの、新書としては異例のロングセラーで、三笠塾でも始まりのころから陽子先生の愛用書である。ANAの口ぐせも同じような使いかたをしてきた。今では講師として活躍している先生たちも、この2つの本をJLPT合格のために勉強した。オンラインで、もどかしい思いをするのは、日本人あるいは日本社会独特の生活習慣を、じゃあ、来週みんなで見に行こうとはいえないところ。今回、1月の第一回授業で出てきた話。”餅つき””お年玉””初詣”。経験させてあげたいなあと思う。
また、日本語の特質である微妙なニュアンスを伝えるのはとても難しい。これも経験すれば、あーそういうことだったんだとわかるのだろうが。
1月がはじまって、もうすぐ1週間が終り、などとのんきにかまえていると、23日にはJLPTの合否の発表がある。この発表をにらんで、合格した人はその合格にふさわしい日本語力をさらにつけていくこと、不合格だった人は、次回は必ず合格するように勉強に励む。しかし、実際のところ、同じN1を受験した人でも合否によって,今後の態度が変わる。けっこう露骨に変わる。間違ってでも合格してしまえば、多分、今後の勉強会には熱が入らなくなる。語学は積み重ねなので、勉強勉強勉強。続けなくては学力が落ちてしまう。合格者の扱いはそういう意味で難しい。一方、じゃあ不合格組が再度のチャレンジのために、勉強するぞ!ということになるかというと、こういう時の生徒の態度、これも露骨で、まるでやる気をなくす。
合格してもしなくても、悩ましい。でもでもでも、やっぱりみんな合格してほしい。