7月4日、家族でファンを標榜しているブラスバンドのコンサートに足を運んだ。ファンファーレ・チョカトーレというルーマニアのジプシーバンドだ。15人ほどの編成でルーマニアの片田舎に住んでいるおっさんたちがコンサートで世界中を駆け巡っている。私はクラシック音楽が好きで、ピアノ音楽はその中でも特に大切に思っているものだ。ところが、ファンファーレ・チョカトーレはブラスバンドでピアノはないし、クラシックを演奏するわけでもない。
その私がこのバンドのことを書いてみたいと思ったのは、とてもノリのいいバンドだからだ。コンサート終了後に観客が総立ちになった。そこへ演奏者が舞台へ上がって来いと呼び込むそぶり。演奏者のあおりにそそのかされて、観客と演奏者、みんな混じって舞台の上で派手に踊る。日本ではあまりこんなことはしないし、見たこともなかった。
ひとしきり踊りまくったあと、今度は演奏者全員で舞台から降りて帰ろうとする観客と写真撮影をしたり、おひねりをねだって、もらった1000円札を額に張り付けておどけた姿で写真に収まっている。そういうひょうきん者の一人と私は写真を撮った。帰りの観客は来たときとは大違い。ステップを踏みながらとても楽しそうに帰っていった。
日本のコンサートではあまり見ない光景が、このバンドでは繰り広げられていた。私はクラシックコンサートによく行くのだが、クラシックコンサートではどこの国でもこういうノリの良さはない。
私にしては珍しいコンサートに行きました。でもファンの一人としてずっと追っかけてるバンドなんです。