台風が接近している。中止にしようか、日程変更しようか、と講師たちが悩んでいる。でも、面接希望の学生も、就労者を探す企業も、台風なんかに負けてはいなかった。その熱意が通じたのか、台風が東京に接近するのは勉強会の夜から。生徒はきちんとスーツに身を包み、普段と違うきちんとした服装の彼らを見て、とても驚いた。挨拶、自己紹介、会社紹介、質疑応答。事前に心配したあらゆることが杞憂に終わり、終始熱い空気の中での面接勉強会だったが、少しは経験も積み、生徒のことも理解している講師からみると、なんとも頼りない。ちゃんと日本語を理解して会社の説明を聞いているのだろうか？と思いきや、英語で会社説明を始めた社長さんあり。ベトナム人の大半は日本人と同じ。長く英語を勉強しているが、あまり英語が得意ではない。また、日本人は早口でテキスト通りの日本語をしゃべらない。私自身ももっとも聞き取りにくい日本語をしゃべる先生、と言われている。本当にかれらは就職できるのだろうか？就職してうまくいくのだろうか？そもそも就職のなんたるかをわかっているのか？これはあくまで勉強会。初めてのこと。誰もが全部初体験なのだからと自らを慰めつつ、午後4時半。 期待と不安の入り混じった就職面接勉強会は終了した。外は風が強くなり、空模様も怪しい。皆に帰宅を促し、講師も早々に家路についた。