久しぶりに帰ったベトナム

先月私は4年ぶりに故郷ベトナムへ帰りました。羽田空港を飛び立ち、6時間ほどでホーチミンシティに着くと、ムッとする暑さと止まらないバイクのクラクションが耳に入り、「ああ、帰ってきたんだ」と全身で感じました。

 家に着くと。おばあちゃんが両手を広げて待っていてくれました。おばあちゃんが入れてくれたベトナムコーヒーの濃い香りが漂ってきました。小さなカップで一口飲むと、むかしの思い出がふわっと広がり、胸が暖かくなりました。

 滞在中、家族と市場に行きました。そこには山ほどの食べ物が並び、香草、南国フルーツ、色とりどりのスイーツなど、どれもとても美味しそうで目が回りそうでした。夜は庭にテーブルを出し、買ってきた食材で生春巻きを巻いて食べました。香草のにおいと家族の笑い声が風にのり、それだけで心がいっぱいになりました。

 ホーチミンシティはバイクが多く、道を渡る時は少し怖かったです。車もバイクも止まらないので、流れるように走る車列の隙間を見て、ゆっくり進みました。

 海が見たくなり、ニャチャンへ小旅行しました、青い海と白い砂浜がどこまでも続き、裸足で歩くと潮風が日本でたまってしまっていた疲れをやさしく吹き飛ばしてくれます。夕方、赤く染まる海を見ながら焼きえびをほおばり、「生きていてよかった」と思わずつぶやきました。

 ホーチミンへ戻る途中、バスの窓から広い田んぼが見えました。緑のじゅうたんのような光景を眺めていると心が落ち着き、子供の頃、夏休みに田舎で遊んだ思い出がよみがえりました。

 最後におばあちゃんは「次はもっと早く帰ってきてね」と笑顔で言いました。その言葉を胸にしまい、タクシーの窓から遠ざかる街に手を振ります。「ここはいつでも私の買える場所だ。」と確かめながら、日本行きの飛行機に乗りました。

2025年8月10日 モズ記者 記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA