私は将来、数学の教員になりたいと思っている。そんな私がもし生徒から「数学のどこ
がいいの?」と聞かれたら、きっと言葉につまるだろう。私自身、明確な魅力を感じてい
ないからだ。でも大体の人間は「答えがひとつしかないところ」という。それも魅力とは
思うが、私は答えがいくつもある哲学や倫理学も好きだし、友達とは常になにかしらの議
論をしている。“答えの数=魅力”ではない。高校の時、すごく好きだった数学の先生がい
る。顔や声が好きだったとか全然そういうことではなく、数学に対する考えや向き合い方
が好きだった。その先生に「数学の魅力はとは何か」と問うた時、先生は「よくわかりま
せん。数学は数学ですから。」と答えになっていないような答えを出してきた。
次にその先生は「強いていうなら、シャーロックホームズや名探偵のように一つ一つ解決
していくところですかね。証拠品から、事件を紐解くのと同じ感じです。」といった。私
はこれを聞いてすごく納得したのだ。私も小さいころから推理ドラマやミステリー小説が
好きだったし、探偵ごっこをした回数は数知れない。きっと私は数学にそんな魅力を感じ
ていたのかも。先生が言語化してくれたことにより、私は数学の魅力の一部に気付くこと
ができた。私が教師になって「数学の魅力とは?」と聞かれた時にうまく言えなくても言
語化
して伝えられるようになりたい。そのために私は数学の問題を解くのだ。
2024年4月7日 カササギ記者 記事