2024年2月18日
ハイズオンの街のホテル。タムさんの家キンモンから1時間30分ほどかかる。
6時30分に朝ご飯を食べて、ハイズオンのホテルを出発。新郎のお母さん、叔母さん、陽
子先生はアオザイを着て、決める!素敵だね。
タムさんはこの日のために新しく家族になるお母さんと叔母さんにアオザイをプレゼント
した。寸法だけ測って、布や模様やデザインはタムさんのお姉さんが決めた。二人とも何
度も試着して作ったように身体にぴったりあっていた。二人ともよく似合います。ちなみ
に陽子先生のアオザイはニャン先生に無理言って店を探して2018年にハノイに来た時作っ
たもの。3人ともベトナム人みたいによく似合う。
8時から結納式。新郎が日本人なので、新婦の家での儀式だけになるが、タムさんの家で
タムさんのご先祖様にタムさんをお嫁さんにください、と新郎のお母さんがいう。それを
すかさずニャン先生が通訳する。タムさんの両親の返礼。
この3年の間に何度か立ち会ったこのシーンだけれど、いつ見てもいいなあと思う。
ベトナムの結婚式はご先祖様と周囲の人たちへの報告なのだ。
赤いアオザイの新郎新婦。とても素敵。さらに新婦のお腹にはタム吉がいる。無事結納式
が終り、今度は結婚式だ。
結婚式にはごちそうが並ぶ。朝9時から宴会料理を食べる。普段はあまり口にできない珍
しい食材も並ぶ。石田先生は果敢に挑戦。陽子先生は食に関しては度量が広くないので、
スープやおこわ、お菓子を食べる。美味しいんですよ、これが。
その間、舞台ではシャンパンタワーやケーキカットが行われて、宴はいやでも盛り上がる。
新婦の白いウエディングドレスの裾が翻り、髪飾りに光が当たってキラキラ輝く。タムさ
ん本当にきれいだよ。幸せ感が最高潮に達して、さて、最後の〆のご挨拶。
陽子先生は、結婚式の挨拶を頼まれることが多い。これは昔からなので実は慣れている。
ゆうちゃんとタムさんのお祝いの言葉。さてどんなこと話そうか?
短く楽しく気が利いた。これスピーチの極意。
タムさんの家の裏には雄鶏がいる。3羽。この雄鶏グループがぐっすり眠っている昨日の
夜、石田先生は夜撃ちをかけて寝ている彼らを起こしてしまった。
コケッーコッコ!雄鶏はびっくりして大騒ぎ。我々が帰った後も、鶏の歌を歌い続けたら
しい。コケッーコッコ!コケッーコッコ!
この“幸せの鶏の歌”を歌おうかと思って石田先生に相談した。
だめだよ、格式がない、格式高く、普通に、普通に。
私は普通の挨拶をした。格式高く。短く、楽しく、気の利いた。
おめでとう、ゆうちゃん タムさん。
ゆうちゃん、心優しいタムさんを幸せにしてね。
こうして陽子先生はお母さん役の幕を閉じる。2024年2月18日 石田陽子 記