会計は会社やお店のお金の健康状態を明らかにする大切な作業です、人間の身体にたとえるならば、日々の取引を記録する仕訳は血圧と体温を測るようなもの。定期的に試算表を作ることは健康診断、といえるでしょう。
そして、最終的な財務諸表は診断の結果報告書です。
まず、仕訳の段階です。会社では毎日、売上や仕入、経費などの取引が次々に発生します。仕訳とはそれら一つ一つを“貸方”と“借方”に分け、帳簿に記録する作業です。現金で商品を1万円売った時は「現金」勘定の借方1万円。「売上」勘定の貸方に1万円と書きます。ここで正しく記録しないと、後の計算がすべて狂ってしまうため、注意深さが求められます。
次のステップは、総勘定元帳への転記です。仕訳帳に書かれた各取引を勘定科目ごとにまとめなおす作業で、いわば、「検査結果をカルテに整理する」イメージによって、まるで勘定科目が期間中にどれだけ増減したか、一目でわかります。
そして、試算表の作成に移ります。月末や期末には、総勘定元帳の残高を貸方借方 ごとに集計し、試算表という表にまとめます。借方と貸方の合計が一致すれば、記録のバランスがとれている証拠。もし、差額がでたら、仕訳の記入漏れや転記ミスがないか、再チェックが必要です。試算表は、会計処理全体の中間チェックポイントといえるでしょう。
期末の調整を経て、ついに財務諸表の作成となります。決算整理仕訳で未収金や未払金、原価償却費などを加えたあと、最終的な残高で貸借対照表と損益計算書は一定期間の利益と費用から利益を計算します。これらは、経営者や投資家にとって、会社の健康診断結果として、不可欠です。
会計処理には地道な作業が多く、単調に感じるかもしれません。しかし、ひとつひとつのステップを丁寧にこなすことで、会社のお金の流れを正確に把握でき、将来の経営判断に役立てることができます。毎日の仕訳から始まり、最終的に財務諸表を手にするまで、その過程はまさに、会社の健康を見守る旅路といえるでしょう。
2025年6月10日 モズ記者 記事