何か自分が経験したことがないことに、とても貪欲なタム先生。彼女はずっとずっとさくらんぼ狩りに行きたがっていた。だが、さくらんぼは時期が短い。おまけにここ数年不作続きだった。いつもお世話になる川西町の片倉さんもなかなか希望を叶えてあげられないね。と残念そう。今年は早々とそれほど豊作ではないけれど、農家から買い求めることができますよ、とお知らせをいただいて、佐藤錦と紅秀峰を送ってもらった。なにしろ三笠塾はだいぶ人数が減っているとはいえ大所帯。ひとり5-6粒をみんなに分けて、大事に大事に食しました。粒が大きくて美味しい。当のタム先生は6月4日に龍星君を出産して、今回もあいにく、ほんのちょっとしかさくらんぼにありつけなかった。ましてさくらんぼ狩りなんて!でも、まだまだ先がある若い彼らは、もう次の計画に余念がない。
2024年は辰年ということもあってベトナム人は出産を望む。辰年生まれはお金に困らず、お金持ちになるのだそうだ。そんなの迷信でしょう?というのは簡単だが、陽子先生は案外、理にかなっている部分もあると踏んでいる。1990年代生まれというのは日本でいう団塊の世代にあたっている。つまり国民全体での人口比が高い。ということは、彼らは収益も消費も大きな世代ということだ。私たちは忘れがちだが、消費社会で最も重要なのは人口。一斉に結婚する人が多ければ、出産する人も多い。ちょうど辰年がそれにあたりそう。だったら辰年に子供産んじゃおう。そして人口比が高いこの世代は時代をけん引する。おりしもJLPT受験日は七夕。私はみんなの合格願を短冊に託した。