ベトナム紀行 ダナン編 結婚式

7月23日。もう遠い昔の思い出みたいになってしまったが、初めてベトナムでの結婚式に出席した。

クオン先生は武蔵野大学卒業までばっちり面倒みて、すっかり気心の知れた私の一番弟子。チヤウさんは、こちらも来日からJLPT、専門学校入学からレポート書きまですべて面倒みた生徒。諸般の事情で出席かなわなかったニャン先生の結婚式だったが、こちらは時期的にも調度よく、出席が可能になった。前回ベトナムに行ったときハノイのシルクショップでオーダーした式服としてのアオザイ。アイスブルーのベトナムシルクにレースがかかりスパンコールと刺繍がちりばめられている豪華なもの。着る機会があるのかなあと心配していたが、今回の結婚式でばっちりお披露目。このアオザイのおかげかどうか、私たち夫婦は親族間で行われる結婚の儀式にも参加した。

ベトナム社会は意外なくらい朝が早い。早朝から人々はバイクを駈って西に東に飛び回る。当然結婚式も朝が早い、23日、私たちは5時起床。6時半食事。8時には新郎であるクオン先生の家で親戚一同と一緒に結婚式の様子を見守っていた、古い世代は良く知っている結納(ゆいのう)の儀式が執り行われる新郎はご先祖に祈りを捧げる。これから妻となる女性を連れてきますよ、ということらしい。結納品にあたる豚の丸焼きとか婚礼用のお菓子、お花などを新郎の親族や友人がしずしずと運び、そのあとを親戚一同と一緒に私たちもついていく。お花で飾った車を何台も連ねて新婦の家に向かう。実はクオン先生とチヤウさんの家は近い。でも車でいく。チヤウさんの家に着く。両家の親族が対面し、親族紹介を行う。この辺りも日本の結婚式と似ている。ちなみにベトナム人女性は結婚しても姓が変わらない。お父さんがグエンさんなら娘は結婚してもグエンさん。生まれた子供は夫の姓を名乗ることになる。親戚が多いというのは聞いていたが、お父さんお母さん、兄弟姉妹、おじさんおばさん、従兄従妹とあふれんばかりの人がいる。

新郎新婦は共に新婦の先祖に拝礼し、結婚の報告をする。まあ、これからこの男性の家のお嫁さんになります。行ってきまーす!という感じですね。そして親戚の人たちは新郎新婦にお祝いの品(アクセサリーがほとんどなので新婦にですね)を一人ひとりお祝いの言葉と共に新婚さん渡す。新婦は(基本的には18金)の指輪やネックレスを受取り身に着ける。チヤウさん指に指輪が首にはネックレスが、、、、、

そして、再度新郎クオン先生の家に、今度はチヤウさんの親族一同も一緒に移動する。クオン先生のご先祖に新婦を紹介するための拝礼。そして、クオンさんの親族が一人ひとりお祝いの言葉を云いながらお祝いの品を渡す。これで両家の結婚式は終了。

1時間ほどの休憩をはさんで結婚式場で披露宴が行われる。北部では、自分の家や近くの公園などにテントを張って会場を作ってそこで披露宴を行うが、進歩的な町ダナンでは(しかも市内在住の)人たちはホテルや結婚式場を使うのだそうだ。招待客は500人。とても大きな会場に人がぎっしり、詰めかけていた。会場中央に花道があり舞台がある。私も花道を通って舞台にあがり、お祝いのスピーチをした。夢先生が通訳を務めてくれた。そりゃそうです。誰も日本語わからないんだもの。なので私はちっともあがらないで好きなだけぺらぺらと話をしたし、不覚にも彼らとの日々が走馬灯のように浮かび上がり泣いてしまった。

ダナンはいい街だ。この町で私の一番弟子の結婚式に出席できた。本当に幸せ。幸運なことだと思う。

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