久しぶりにバスに乗った。短い距離はけっこう乗っているが、今回は渋谷から新橋行のバス。ちょっと距離があったのでバス車内の広告をしっかり見ていたら、急な割り込みでバスが急停車して立っていた女子高生が転倒!という画面が。
昔々を思いだした。大学入学当時の私は、高校生活そのままに座席に浅く座るのが常だった。その時も友人とべらべらしゃべりながら、バスの座席に腰かけていたら突然急停車。うわ!と思う間もなく、私と友人は床に転げ落ちていた。浅く座っていたために、お尻ごと床にどすん!と落ちてしまったのだ。びっくりしたのは周囲のお客さん。まさか座っている人が床に落ちるとは、ととても心配してくれた。バスの運転手も見に来て、大丈夫ですか。
私も友人もはずかしくて、はずかしくて、痛いのかどうか、よくわからなかった。すいません、すいません。大丈夫です。大丈夫です。
それ以来、私は背もたれにもたれることはないが、椅子に浅く座るのはやめた。そして、ずっとずっと記憶の底にあったこのことを、都バスの車内で、思いだしたのだった。最近はバスの運転手さんも丁寧だし、総体に日本人の車の運転はおとなしくなった。一方で、歩行者と自転車は弱者を理由に、どんどん傍若無人になっている気がする。結局は、車が急に止まらなければならなくなる、という事態は一緒なので、浅く座ること、老人なのに無理して立っているのはやめた方がいいなあ、と思う今日この頃である。