梨の実

鳥取県の梨を生産している農家さんから梨オーナーの話をいただいたのは、日本中が武漢ウイルスの脅威にさらされ、自粛要請がはじまった時だった。できるだけ知り合いに声をかけてオーナーさんを増やしたいとのことでしたが、まさに時節柄、そんな話を誰かにお願いするどころではなく、自分の分と梨が死ぬほど好きと豪語する近くの友人だけ誘ってオーナーになりました。農家がオーナーの梨を育てて、そこから収穫できる梨の実を知り合いに送ってくれるという制度です。かなり前から私はラベンダーオーナーというのをやっています。北海道 富良野のラベンダー畑の1区画のオーナーになる。そこで収穫?できたラベンダーを自分の所はもとより、友人知人にも送ってくれる。ラベンダーの季節は6月末から7月。そのころになると、そろそろですよ。と連絡が来て、生花だと7月中にドライフラワーだと8月に送られてきます。この梨オーナーも同じような制度と理解できたので、私は梨が死ぬほど好きではないけれど、この制度自体はいいなと思ったからでした。

さて、10か所に送ってもらった、私の梨たち。お礼のメールがきますが、みなさん、大量の、とかびっくるするほどたくさん、とまず書いてあって、それから小粒だけど、瑞々しくておいしい。いかにも木からそのままとってきたみたいと評判は上々でした。そして、一番最後に、私の家にも送られてきました。本当に可愛い梨です。粒もそろっていないし。でもまぎれもなく、私が知っているあの二十世紀梨でした。

関東より北は、梨も桃も赤が好き。一方、関西は梨も桃も白が好き。とよくいわれます。岡山に学生時代からの友人がいて、岡山の白桃のことはよく知っていたので、桃といえば白桃でしたが、近年、東京では、福島の桃、長野の桃と桃色の桃がスーパーや果物店でも主流なので、関東の人は赤い桃が好きなのね。と思います。梨も同じで、関東は幸水や豊水のような赤梨が主流。甘みも強く、噛み応えもある赤梨をよくみかけます。鳥取の二十世紀はそういう赤梨とは全くことなるもの。梨の表面はつるつるしていて、青というか白梨。果肉は噛み応えよりもきめ細かくて繊細。甘みも薄い感じ。関東の赤梨がどんどんサイズを大きくして立派になっている中で、鳥取の二十世紀はそれほど大きくない。

二十世紀梨は、にじっせいき。というのだそうだ。鳥取の人は結構いい方にこだわる。鳥取県は今は蟹のシーズンなので蟹取県にかわりました。という。

鳥取県がこだわる二十世紀梨。桃太郎の次は、梨次郎のは話でも考えよう。

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