自分は変化していないつもりでも社会が劇的に変化しているということは、間違いなく言える。だが総体で、陽子先生の日常が劇的に変化しているかというと全然!ただ、仕事の効率が悪くなった。時間がかかる。そういうことがなくなるように社会は変化しているのではないのか?
まるでハムレットの心境である。
選択、選択、選択。そればかり。家事ひとつとっても、やることはたくさんあり、どれから始めてもいいし、同時進行もできる。じゃあ、何から始めるのか?案外迷うのである。そして、洗濯は洗濯機がばーんとやってくれる。でも、それを干すのは誰?ーここで洗濯を選択した場合の仕事(それも結構重労働が待っている)を考えると、迷う。食材はほとんど宅配便を使って自宅に取り寄せることができる。以前ほど大食いではないので、それほど大量作る必要もない。では食事の支度をしよう。料理は嫌いじゃない。いや、ものすごく好き。腕に自信もある。が、あれを作ろう、いやこっちにしよう。と迷う。さらに、そうだあの子にこれ作ってあげたら喜ぶ!なんてちょっと生徒のことも考える。そうすると、また迷う。ここでも選択の余地がたっぷりあって、時間だけはどんどん過ぎていく。
4月は三寒四温。雨も結構降った。4月5日は父の祥月命日だったのでお墓参りも念入りにした。そして、選択の余地の中で、大いに迷い、その分、1カ月という時を長く感じられた気もする。
憂いと迷いは尽きないが、花の心はただただ美しい。