富士山と菊の花

11月は箱根、掛川、新潟と東京から出る機会が多かった。
箱根では、心配した雨に降られず、晴天で、富士山の美しい姿を眺めることができた。富士山は本当に美しい。そして、周囲に比べる高い山がないので、その美しさがさらに際立つ。例えばスイス。マッターホルン。颯爽と高さを誇りながらジェラードみたいな愛らしさも感じる。そして、周囲には同じような高さの山があるので、富士山のような際立った感じはない。その分、個性を主張する。
一方、富士山は個性を主張する必要がない。並びなき、正に、富士山こそ、最も日本的な山。日本そのもの。日本人そのもの。
さて、新潟県に行った。生徒の親孝行に付き合った形だが、滅多にみられない新潟県の観光地も訪れ、かねてから興味のあった弥彦神社にも参拝した。
弥彦神社では、最近あまり目にしなくなった菊祭りが開催されていた。大輪の菊の花が神社の参道の両側に並ぶ。父が存命だったころ、菊農家を訪ねたことがある。当時は菊の専門家がいて、犬猫のブリーダーのように、菊を専門に育てる人がいた。そういう人たちはよりよい?菊を育てるために精進していた。そういう菊が集まって菊祭りが開催され一等賞を競う。
それでも富士山と同じ。菊には個性がない。個性がないけど、菊の花は日本そのもの。そして菊の御紋といえば、天皇家の紋所だ。
菊も同じ。美しい、個性のある花は数あれど、菊は並びなき、正に、菊こそ、最も日本的な花という感じがする。
この菊、結構な量がベトナムで生産されている。日本的なるもの菊、実はベトナムで育っている。

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