桃太郎と鬼ヶ島の謎
序章 これまでのお話
昔昔、東京から新幹線で3時間ほど行ったところに、時代遅れなおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川へ洗濯に行くのが二人の日課でしたが、ある時、おばあさんは洗濯中に流れてきた大きな桃を救い上げます。桃には話ができる猿が乗っかっていて、あれこれ指図したあげく、おばあさんは桃と猿を家につれて帰ることになりました。芝刈りから帰ってきたおじいさんと、みんなで食事をし、楽しい時間をすごしていると、突然、桃は脱皮すると言い出して、立派な若者の姿になりました。桃太郎誕生の瞬間でした。
第1章 桃太郎の過去
立派な若者になった桃太郎。では桃はどこにいったのでしょう?おじいさんもおばあさんも猿もその瞬間を見ることができませんでしたので、おばあさんは大好きな桃が食べられなかったことが悔しくて仕方がありませんでした。おじいさんと猿はそれぞれの想いから桃太郎誕生を素直に喜んでいました。けれど、おじいさんもおばあさんもいくら時代遅れとはいえ、大人であり、人間です。桃太郎が桃太郎という人である以上、いきなり、卵から鶏になるような話を信用するわけにはいきません。二人は、桃太郎に自分の身の上話をするようにとさかんににけしかけました。そうです、桃太郎の過去が知りたかったのです。それは人間が持っている最も原始的な感情。好奇心からでした。そして、それに付け加えると、彼らは、桃太郎の伝説を知っていた。
ここでちょっと復習です。桃太郎伝説とはどんなお話でしたっけ?
黍団子(きびだんご)、鬼ヶ島、猿と鶏と犬、川の上流から桃が流れてくる。そんなところでしょうか?思い付いたらいつでも教えてください。書き込みますから。
脱皮して立派な若者になった桃太郎。好奇心の塊みたいなおばあさん。そりゃあ、教えてくれるのなら知りたいよね、と思っているおじいさん。実際にどこまで桃太郎のことを知っているのかわけがわからない猿。4者4様な思いから、まずおじいさんがいいました。”別に、どうしてもというわけではないけれど、桃太郎がどこからきて、どんな目的で私とおばあさんのところで脱皮したのか、教えてもらえないだろうか?いや、どうしてもというわけではない、できれば、ということでいいのだが。”すると、おばあさんも言いました。”ずっと考えていたんですけどね、お猿様は、私の考えていることが分かってしまう。桃太郎も私の考えていることがわかってしまうのかしら?お猿様も桃太郎も私たちの考えていることがわかってしまうなんて、一緒に生活するのは、こわいわあ。”すると、猿がいいました。”そんなことはないでしょう?おじいさんが山に芝刈りに行ってイノシシとけんかしたこと、おばあさんが川で洗濯をしながら洗濯踊りを踊り、気持ちよく歌を歌っていたこと以外、桃太郎も私もお二人のことは何も知らないですよ。お二人は私たちのことを盛んに聞きたがりますが、自分たちのことなんて、何もいわないじゃないですか。”猿が口をすぼめて恨みがましくこんなことを言うと、おじいさん、おばあさんは困ってしまいました。実は、このお話を書いている私もすごく困っています。
そこで、私は、おじいさん、おばあさん、桃太郎、猿、に自己紹介をしてもらうことにしました。つまり、彼らの生い立ちです。
第1章の付けたし おじいさんとおばあさんのこと
おじいさんの名前は裕次郎といいます。おばあさんの名前は里美。二人の苗字は、、、、そうです。石原といいます。おじいさんは石原裕次郎。おばあさんは石原里美。ですからおじいさんのことはこれからは裕次郎さんということにします。おばあさんは里美さんです。二人は時空を超えた愛で結ばれ、強い信頼関係にありました。少なくとも里美さんが裕次郎さんを熱愛しているということは、里美さんが洗濯踊りを躍りながら歌った歌にもよく表れています。(忘れてしまった人は、このブログの過去のストーリーズをひっくり返して読んでくださいね。)そして、二人はおじいさんおばあさんと言われる年齢になるまで子供を持つことがありませんでした。二人がひそひそ話ていたところによると、二人だけの生活をしばらく楽しんで、その時がきたら子供ができたらいいね、と話しているうちにどんどん時間が経過。結果、子供はできませんでした。とのこと。ですから、ひょんなことで桃太郎という子供ができたことを素直に喜んでいたのです。では、伝説の鬼ヶ島の話は裕次郎さん里美さんとどんな関係があるのでしょう?知りたいですね。