10月1日 

10月1日、都民の日。私が学生だった頃、都内の小中学校高校はほとんど休みだったが、私の母校は休校にはならなかった。私は学校が大好きだったが、休みも大好きだったので、先生に抗議した。なんでうちの学校休みじゃないんですか?すると、先生は言った。”うちは私立ですから、通学生が全員都民ではない、他の県から通ってきている生徒は都民じゃないから、休みません。”、、、そして、赤い羽根共同募金の街頭募金に午前中は行って、午後からはしっかり授業だった。この赤い羽根は学校内で、”鶏の遺品”と呼ばれて、とても評判が悪かった。1本10円。街頭でこの赤い羽根を手に”みなさん、ご協力お願いいたします!”と声を張り上げる。花の中学高校生だから、街ゆく人はちょっと足を止めて、募金に協力してくれる。”あ!あなたは100円いれましたね?10本どうぞ!”なんていって、男性サラリーマンにお金だけもらって逃げられてしまったり、”去年のがあるから”とわざわざ胸の赤い羽根を見せてくれる人もいた。”あ!もうあっちで買っちゃった!”(うーん、買うというものじゃないんですけど)という人もいた。(こっちでも買ってよ!とは言えなかったけど)

若い時というのは何でも楽しい。共同募金は楽しかった。赤い羽根は評判悪かった。そして、それが私の10月1日だった。

今も時々ありますね。赤い羽根共同募金。

今年は武漢ウイルスの脅威のおかげで、私の調子は狂いっぱなしだ。10月1日といえば、留学生はそろそろ進学の最終段階に入る。早い子は8月くらいに進学先を決めているし、大学受検組は準備万端。ところが今年はだいぶ様子が違う。学校の募集も小規模なところが多いし、生徒もどうしたらいいかわからない。ので、相談にもこない。特に顕著なのが、学費がらみの経済的な問題だ。この時期に来年4月入学の学校への進学が決まってしまうと、入学金やら前期の学費やらを用意しないといけない。同時に現在通っている日本語学校の後期の学費を納める必要もある。結構な金額がまだ20代前半の留学生の肩にかかってくるのだ。だいぶ豊かになった本国からの送金も武漢ウイルスの脅威で、あてにできない。私が協力できること、助けてあげられることはほんのわずかだ。

でも、10月1日。区切りがいい。今日からまた生徒のために、進学や就職の余計なおせっかいをしなくっちゃ。

 

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