武漢ウイルスの脅威が凄まじい。それが発生した場所ということで、武漢ウイルスといっておく。2月の時点でウイルスの脅威を私に進言してくれた親切な人がいた。三笠塾を閉鎖した方がいいという進言だった。私はその時点ではできない!と言い切った。三笠塾は学校ではない。大勢の人が群れている場でもない。むしろ、行き場を失ったときにベトナム人が身を寄せられる場にしておきたかった。身を置く場所を持っている人は三笠塾には来ないし、ベトナム人の方がずっとずっと武漢ウイルスを怖がっていたのだから。
現在、私自身の判断で三笠塾はオンライン授業のみになっている。政府の緊急事態宣言を受けてのことである。生徒は来ないけれど、熱心な講師が来てくれることもある、むしろ日本人スタッフに休んでもらうための判断だった。個人的に生徒に頼まれて何かをしに三笠塾に来てしまう、それは困ると思った。同時にラインで、勉強のこともだが、アルバイトや生活全般のことで、困ったことがあったら、生徒間で解決しないで、必ず私たちに相談してほしいと何度も通達をだした。ベトナム語にも訳してもらった。
このオンライン授業を始めるにあたっての準備期間に2月から3月の半ばまでは費やされた。なんとか軌道にのって、N1ーN4までのクラスのオンライン授業が行われている。生徒も講師もみんな違う場所にいる。Wi-Fiの接続が悪くて声が聞こえなかったり、画面が見えないこともあるが、なんとか繰り合わせて時間通りに授業は進んでいる。ベトナムでは小学校もオンライン授業なのだそうだ。でもみんながみんなWi-Fi環境をもっているわけではないので、授業は限られた人のものになる。限られてもいいから授業をする、これは日本社会とは考え方が違うので、日本では難しいかもしれないが、武漢ウイルスが長引く可能性を考えると、オンライン授業は、早々に日本でも実施した方がいいのでは?と思う。
政府の緊急事態を受けて会社もテレワークへの切り替えを導入。私も自宅でせっせと日本語教材を作成しているが、ほしい本があってちょっと駅前の本屋に行ったら、いきなり休業、でびっくりした。喫茶店もチェーン店は全部休業。ラーメン屋も休業。中には休業を通り越して廃業の張り紙をする店もでてきた。学生街にある私鉄の駅だが、その様子を見て、絶望感に襲われた。が、それ以上の別の心配で、絶望感は一瞬にして引っ込んでしまった。
この様子だと、留学生のアルバイトはどうなるの?居酒屋、喫茶店。彼らに潤沢とはいえないまでも日本に滞在するための給料を供給してくれていた職場がほとんどなくなってしまったではないか。学校も休み。彼らはどうなるのだろう?試しに2-3人に連絡をとると、”先生、大丈夫。ずーっと部屋にいるから平気。””今月15日に給料もらうから、全然問題ない””ベトナムのお父さん、お母さんが心配して、外にでるな!って言ってるから、アパートにいるよ。”
桜の花が今年は思いのほか長い期間きれいな花を咲かせていた。心なしか固い感じがした。桜の花も緊張している。3月の三笠塾の花見ツアーはバス会社の休業申し出で中止。卒業にまつわるお祝い事はベトナムから日本に来るはずの人たちが本国出国で足止めされて中止。3月は散々だと思っていたが、4月に入って、事態はますます緊迫している。
桜の花に想いをはせる。日本を代表する桜の花。その花が満開のこの季節に、日本は未来を失いかねない。どうか、これが絶望感で終わりませんように。一昨日は満月で、しかもスーパームーン。大きなきれいなお月様に、地上はこんなことになってます、どうか、お月様のパワーで、私たちを救ってくださいね。と祈らずにはいられない。