ベトナム人の側
1.人材送り出し機関に面接に来る。
2.人材送り出し機関で自分の適性にあっていると思われる業態を決める。
経験のない業態の場合、1週間程度の職業訓練を受ける。
現在71種類ほどあり、2017年11月より介護も認定されることになった。
3.人材を探している日本企業が面接
面接は従業員を探している企業が現地面接する場合と間接期間である日本の受け入れ組合の人が面接をする場合とがある。
4.面接は20人ほどの単位で行われ、その中から4-5人が選抜される。
5.選抜された人は、日本語研修センターに移動させられ、3-6か月間、日本語の研修を受ける。N3レベルが理想だが実際は小学校程度。
6.受け入れ側の企業の準備が整いVISAの取得ができたところで渡日。
7.受け入れ組合の施設で1か月間、日本の生活習慣などを習得する。
8.受け入れ企業で就労。3年間―延長が認められると5年間。
この間は一時帰国も不可。月給は都道府県のアルバイト時給によって決定される。
社会保険料(会社持ち)家賃(実習生負担)組合への納付金(3万円~4万円が相場・実習生負担)
9.日本語能力は実習生としての技能習得と同じレベルでの向上を求めることが国から定められているが、実際は日本語能力のレベルアップは個人差が大きい。
帰国後、日本で習得した技能での就労が理想だが、ほとんど実現は不可能。そのため、日本語能力を高めておくことが大切(最低N2、できればN1取得)
実習生として日本に行くことができるのは1度だけ。留学生であれば別途行くことは可能。
日本の企業側
1.人材受け入れ組合は多数存在していて、機会あるごとに勧誘にくる。組合は個々に自分のテリトリーを持っていて、アジアンの送り出し機関とつながっている。
送り出し機関、受け入れ機関、どちらかが開く説明会などで、実習生送り出し制度の説明を受ける。会社の社員の人数規模で一度に受け入れられる実習生の数は決まっている。また、会社規模が小さい場合何社かが共同で送りだし機関受け入れ機関に依頼する場合もある。送り出し機関が受け入れ企業に人材募集費として費用請求する場合もあるが、基本的には実習生が自社で労働した給与がキックバックの形で送りだし受け入れ機関に支払われる。
人材不足の日本企業にとって即働かせられる貴重な人材確保の場所である。
2.人材送り出し機関の現地研修センターや訓練センターを訪問して、日本に送られる前の実習生の様子を見ることができる。
3.直接面接を行う。受け入れ組合が面接を行う。この時点で実習生は日本語ができないので、現地の通訳を介して面接を行う。
4.面接は20人位の単位で、その中の4-5人が選抜される。
5.選抜された実習生の受け入れのために会社がすることはあまりない。中間に入っている受け入れ機関が実習生の就労のための細かい便宜を図ってくれる。
が、現地での居住に関しては、日本人の住居と同じで会社側が用意する。が、家賃は本人負担。大体アパート1部屋に2人ないし3人で居住。
6.実習生の受け入れ枠は、3人という場合、最初の年に1人。2年目に1人で合計2人。3年目に1人で合計3人。4年目は最初の1人は帰国して、新規に1人入ってきて合計3人、という形を取る。
本人の希望により延長する場合(5年)、新規採用はできない。
7.実習生の採用は若い日本に不足している人材確保によくあっているように思えるが、
一方、日本語能力の不足。現場での就労と日本語学習の両立の難しさなど課題は多い。
ベトナムと日本の経済格差を考えると、若いベトナム人が日本で就労するというのは、
双方によいことがたくさんあるように思える。
ベトナム人は当たり前に働くだけで充分な仕送りをすることができる。
日本側は安価な労働力を得ることができ、3年間退職することはない。
が、
どうしても就労内容が個人の適性と合致しなかったり、3年の実習期間が終了しても
もっと日本で働きたいと帰国を拒み、不法滞在覚悟で出奔してしまう実習生もいる。